第12章 ピスタチオ fromショコラ
「ニノ、行くぞ」
大野さんがもう楽屋のドアの前に立ってた。
「え?どこいくの?」
相葉さんも俺の額に手を当てながら聞いてくる。
「んも、大丈夫だってば。喫煙所行ってくる」
「ここで吸えばいいじゃん」
「いいって、行ってくる」
「遠慮すんなって」
「雅紀!」
いきなり翔ちゃんが相葉さんの腕を掴んだ。
「いいから行かせてやれよ」
「えー?翔ちゃん?」
翔ちゃんが目で行けって合図するから、そろりと立ち上がるとだいぶ身体が楽ちん。
脱いでたスニーカーを履いて、トントンすると待ってる大野さんのところへ駆け寄った。
「じゃあ、行ってくる」
「ああ。ごゆっくり」
翔ちゃんがにっこり笑った。
「…うん…」
なんか、変なんだよな…
この前からさ…
なんだろう。
でもこの変の正体が一向にわからない。
俺って勘がいいほうだと思うんだけど、最近のなんか変の正体は全然わからない。
大野さんも変だし、みんななんか変。
いつもの嵐じゃないんだよね…
なんか、居心地悪い…
今だって…
大野さんはまたぶすっとして歩いてる。
一言も喋ってくれない。
いつものぼけーっとしてる感じじゃないんだ。
なんか、考え込んでる。