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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第12章 ピスタチオ fromショコラ


「わわわっ…急にどうしたのっ!?」
「どっ…どうもしてないっ…」

慌てて俺の手を外して、今度は背中を向けてしまった。

「べ、弁当食おう」

そう言ってペットボトルのお茶を取ってきてくれた。
ソファの横のテーブルに弁当とお茶を並べてくれて、俺の隣に座り込んだ。

「大野さん…」
「ん?」
「大丈夫…?」
「だから、大丈夫だって」

割り箸を歯で噛むと、ばりっと2つに割った。
そのまま弁当をちびちびと食べ始める。

「おまえも食えよ」
「うん…」

もくもくと二人でお弁当を食べた。
会話もなく、ただひたすら。

なんか…やっぱりギクシャクしてて…
犬のせいだよね…
俺が大野さんにあんなことするから…

でも…

心のどこかで、犬にさえ取り憑かれてたら、大野さんに触れるっていう下心がなかったわけじゃない。
そんな邪な気持ちを持っているから、犬は俺から離れないのかな…

お弁当の卵焼きを見ながら考えてると、大野さんは俺のことじっと見てた。

「…食欲ないのか?」
「うっ…ううん…そんなことないっ…」

とは言っても、普段からあんまり食欲のある方じゃないからいっぱいは食べられなくて。

「大丈夫だからね?」

そう言ったけど、疑わしげな顔したまま大野さんは俺を見てた。

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