第12章 ピスタチオ fromショコラ
次の収録の衣装が来たから、みんなで着替えて…
その間、大野さんはずっとぶすっと俺の横にいる。
「ねえ…なに怒ってるの?」
「え?」
「ずっと怖い顔してる…」
「怒ってねえよ」
「じゃ、なんでそんな顔してんの?」
「知らねえよ」
やっぱり怒ってるじゃん…
思わず目に涙が溜まった。
「あっ…」
焦った声を出して、大野さんは俺の頭をぽんぽん撫でた。
「お、怒ってねえから、な?早く着替えろよ!」
そう言って俺のTシャツを脱がせた。
「やっ…自分で脱げるっ…」
思わず手を払い除けてしまった。
「あ…ごめん…」
大野さんはしょんぼりして背中を向けてしまった。
「ねえ…どうしたのよ…?」
「なんでもねーよ」
「大野さん…」
「早く着替えろ」
そう言って俺に衣装を差し出してきた。
衣装を着替えたら、次の収録の打ち合わせ。
変更点なしで行くことになった。
1本目は休ませて貰ったから、ちゃんとやらなきゃ。
終わったら飯になった。
食堂まで行くのもだるくて、弁当を頼んでソファで横になった。
いつの間にか大野さんが隣に座ってて。
ばさっとブランケットを俺に向かって投げてきた。
「ありがと…」
「いいから寝てろ…」