第12章 ピスタチオ fromショコラ
「ねえ…大丈夫だよ?」
「…もう…俺には嘘言うなよ…」
「え?」
「ほんとさ、身体から出てるオーラもなんか赤いんだよ…」
「赤い?」
「熱がね…ある人は大抵赤いオーラなんだよ」
「俺、今、赤いの?」
「うん。これから熱上がるかもしれないから…」
「そう…なんだ…」
「だから、さっき勘違いした」
「へ?」
大野さんはそれっきり、黙り込んだ。
ぽやんとしてるのかと思ったら、結構マジな顔して黙り込んでる。
「…あの…怒ってるの?」
「え?別に…」
じゃあ、なんでそんな顔してるの…?
俺には…言えないことなの…?
マネージャーが戻ってきて、医務室の鍵を開けてくれた。
今日はここのスタッフさんは研修でおやすみなんだって。
「なんかあったら、ここに内線があるからクロークにご連絡くださいって言われました」
「そう…わかった」
マネージャーは俺達のミーティングの前に、マネージャーだけのミーティングがあるから、戻っていった。
大野さんはまだ、ベッドの横に置いてある椅子に腰掛けてる。
「大野さん…?戻っていいよ。俺、ここで寝てるから…」
「うん…」
なんだか大野さんもはっきりしない。
あれから俺達は、ギクシャクしてる気がする。
だから…余計に焦るんだよね…