第12章 ピスタチオ fromショコラ
「二宮さん…焦ってはだめです」
「先生…焦りもしますよ!だって俺はっ…」
「落ち着いて…」
先生は立ちあがって俺の額に手を触れた。
「ちょっと…疲れていますね…眠りましょうか」
温かい手の平で目の周りを覆われた。
急にとろんと眠気が俺を襲う。
「せんせぇ…お願い…俺、このままじゃ…」
「大丈夫。あなたが思っているようなことにはなりませんから…」
「…え…?」
「私が約束します。だから、安心して…今は眠りましょう…」
先生の声がだんだん遠のいていく。
なんとか抗おうとしたけど、久しぶりに訪れた穏やかな眠りの入り口に、俺は吸い込まれるように入っていったのだった。
それから一週間、なんの進展もない。
先生から新たに護符を貰ったけど、あまり効果は期待しないでくださいって言われた。
だから護符代もいりませんだって…
効果がないかどうかは、まだわからなかった。
「はぁ…」
「なにため息なんかついてんだよ?」
「わっ…びっくりした」
「おはよ、ニノ」
「おはよ…潤…」
今日はレギュラーの収録日。
一週間ぶりにみんなに会う。
他の3人はまだ来てなかった。
楽屋には俺達のマネージャーや衣装さんがウロウロしてる。