第2章 グレイscene3
インタビューの後は、5人で出演しているCMのイベントに出る。
タクシーは会場に着いて、楽屋代わりの広い部屋に通された。チーフマネが打ち合わせのため、他のマネを引き連れて出て行くと、俺達だけになった。
「…皆、さっきは…」
口を開いた途端、雅紀と俺以外爆笑した。
「いやああ…さっきのは傑作だった!」
「ほんっともう…潤の慌てる顔がもう…」
「松潤、ほんとかわいかったよなぁ…」
リーダーまで涙を拭きながら笑ってる。
「え…?」
翔くんは涙を拭きながら俺を見上げると、ふふっと微笑んだ。
「ま、あんくらいは許してやれよ」
「何いってんの翔くん…」
「お前、雅紀の顔見てみろよ…」
隣に立つ雅紀の顔を覗きこんだら、泣いてた。
「えっ…なんで泣いてるの!?」
「…だって…」
「あーあ…潤、泣かしちゃったー…」
ニノがテーブルに肘を付きながら、こっちをニヤニヤして見てる。
「松潤、相葉ちゃん泣かせたらだめじゃん」
リーダーまで…
「いや…わかんないよ…何泣いてるの?」
「だって潤、怒ってる…」
そういって下を向いて、ポロポロ涙を零した。
「まー…」
すたっと翔くんが立ちあがった。
楽屋から出て行ったと思うと、すぐ帰ってきた。
俺に鍵を渡すと、そっと耳元に囁いた。
「2時間、隣の部屋確保した。ちゃんと、仲直りしろよ?」
そう言って、俺の肩をポンポンと叩いた。