第11章 グレイscene4
しょうがねえなあ…
そっと潤の身体に薄がけを掛けてベッドから降りる。
朝食でも作ろうとキッチンに入るけど、なにしたらいいか全くわからない。
とりあえず冷蔵庫から卵を取り出してみる。
目玉焼きだったら…4個いるよな?
卵焼きすら作れない俺が…
目玉焼きなんか作れるのか…?
ぱたんと冷蔵庫を閉じた。
俺…潤が居ないとなにもできないのな…
「とりあえず…なんか買ってくるか…」
お腹の虫はぐうぐう言ってる。
なにか食わないと死ぬ。
だからコンビニでも行こうかと、玄関で靴を履いていると後ろから足音が聞こえた。
「しょうくんどこいったの?」
「え…?」
振り返ったら枕を持ったままペタペタ裸足で歩いてくる潤が居た。
「潤?どうしたんだよ」
「しょうくんがいない…」
「ここに居るだろ?」
「どうしてベッドに居てくれないの?」
「だって俺、腹減ったよ…」
「なんで起きるまで待っててくれないの?」
「泣くなよ…ごめんて…」
靴を脱いで廊下に佇む潤を抱きしめる。
「ほら…ベッド戻ろ?」
「だって…おなかすいてるんでしょ…?」
「いいから、な?」
潤の肩を抱いて寝室に戻る。
「にゃーだ…翔くんにごはん作る…」