第11章 グレイscene4
「なんだろこれ…」
棒を一本とりだして眺めるけどわからない。
銀色に輝くステンレスの棒。
小さくS字に湾曲してる。
太さもまちまちな棒を暫く眺めた。
その時、テレビの画面いっぱいに和也が写った。
毎日会ってるけど、触ってもらってない…
だんだん和也が恋しくなってきた。
火照る身体をどうにもできず、棒を放り出してリモコンを手にした。
申し訳ないとは思いつつ、DVDをセットして再生した。
『大奥』
これが…一番和也がえっちい…
だって…俺の上にいるときの和也に一番似てる…
普段は俺が触るだけであんって言うのに、えっちの時はあんなに男らしい…
ほんの数秒のそのシーンを見るだけで、俺の身体はもう…
バスローブの間を割り開いてそっと自分の中心に手を添える。
もうそれは熱く滾って形を変えていた。
触れるだけで身体がびくりと震えた。
「あ…和也…触って…」
リビングの明かりが煌々と灯る下。
画面には一時停止した和也が大写しに映されている。
白い背中、気だるそうに女を見下ろすその顔。
たまらなくセクシーで、中心に熱が集まる。
「ちょうだい…欲しいよ…」
初めて身体を重ねた日から…
俺は和也なしじゃ生きられない体になった。