第11章 グレイscene4
今日は和也は深夜までロケ。
小さな野望で遠くまで行くんだって言ってた。
この前…翔くんを皆で頂いてから、なんだかんだと忙しくて、俺達はえっちできてなかった。
お互い映画が決まって、バタバタした日々。
撮影行ったり、料理教室行ったり…
なんとも落ち着かない日々。
おまけにアリーナツアーも再開して…
今年は夏のイベントがないから、まだマシだけど。
それにしても別の意味で忙しい夏だった。
珍しく今日は撮影も早めに上がることができた。
友人たちと飲もうといつものバーに行ったけど、今日は誰も来ていなくて。
マスターと喋って、2杯だけ飲んで帰ってきた。
少しだけアルコールが入っていたけど、ゆっくり入ることもなかった風呂に浸かって出てくる頃にはすっかりアルコールは抜けていた。
しょうがないから冷蔵庫からビールを取り出して一気に煽る。
こんなにゆっくりとした時間を過ごすのは久しぶりだった。
バスローブのままソファに座り込んで、テレビを付ける。
ビールを飲みながらチャンネルを変えてとりあえず一通り番組をチェックした。
「ん…?なんだこれ…」
テーブルの上に、見慣れない黒い箱。
「和也のかな…」
好奇心に負けて、パカっと開けてみた。
中には細長い棒が何本も入ってた。