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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第10章 だいだい


「じゃあお前んちの鍵、ちょうだい?」
「えっ…」
「なんだよ。嫌なの?」
「嫌じゃないっ」

すぐに飛び起きて、キッチンの引き出しの中から合鍵を持ってきた。

「はいっ」

ぎゅっと翔の手に握らせると、やっと少し安心した。
翔の顔をみたら、笑ってる。
それを見て、俺も笑った。

「はにー…嬉しいよ」
「だーりん…俺も嬉しい」

ぎゅっと抱きしめてくれて、ちゅっとキスをくれた。

「よし…じゃあ、俺んち行くか…」
「えっ…今から?」
「そうだよ」
「帰るの…?」
「違うよ」

立ち上がると、俺の手を引いて立ち上がらせた。

「合鍵、やるよ」
「えっ…」
「だから、今日は俺んち泊まりな!」
「うそ…」

驚いてると、苦笑いされた。

「大丈夫。この前掃除したばっかだから、足の踏み場はある」
「いや、そうじゃなくて…」
「ん…?」
「本当にいいの…?」
「いいから言ってんだろ。ほら、準備しよ?」

もう一度抱きしめられて、うなじから翔の香りがした。
その匂いがこれが現実だって教えてくれて、涙が出た。

「和也…?」

流れる涙を拭ってくれて、翔は笑ってる。
とても幸せで…
幸せ過ぎて、夢みたいで…

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