第10章 だいだい
ごっそり出てきたのは相葉さんの荷物だった…
「おーまーえ…」
「だからああ…相葉さんは友達だってぇえ…」
「雅紀がおまえに惚れてたらどうすんだよ!」
「そんなことないもんっ」
「わかんねえだろっ!?」
「ちがうもんっ!ちがうもんっ!」
多分違うと思う…
一緒のベッドに寝ても何もなかったし…
「おしおきするぞ…」
「えっ…」
「もう雅紀を家に入れないな?」
「だって…じゃあ翔が言ってよ」
「俺が?雅紀に?」
「うん…」
「わかった。今から言ってやる」
「うっそ!待って!」
「なんでだよ」
「今、マナブのロケ行ってるから!」
「はあ?なんで雅紀のスケジュール把握してんの?」
「だ、だって。言ってくるんだもん」
じろりと見られて、身体が竦んだ。
「わかった…もう呼ばない…」
「よし」
やっと翔は落ち着いて俺の隣に座った。
「じゃあ、リオ終わったら俺んちな」
「え?」
「俺んち家捜ししていいから」
そう言いながら俺の肩を抱き寄せた。
「気に入らなかったら、何捨ててもいいから」
「ほんと…?」
「ほんとだよ」
「じゃあ鍵…」
「ぷっ…そんなすぐ欲しいの?」
「うん…欲しい」