第10章 だいだい
そのままクッションを抱きしめていたら、ソファの座面が揺れた。
後ろに翔が座って、俺の背中に手を置いた。
「…そんなのわかってんだよ…?」
「え?」
「おまえが嫉妬深いことも、束縛するのも…」
思わず振り返った俺を抱き寄せた。
「それでも…俺はおまえと居たい。ずっと一緒にいたい…」
「翔…」
「好きなんだよ…和也…」
そっと身体を離すとちゅっとキスをくれた。
「俺だってな…おまえのこと監禁しときたい。外に出したくない。映画にだってテレビにだって出したくないんだ」
「えっ…」
「だって、必ずおまえの出るのって、恋愛要素あるだろ。そんなんみてられっか!」
「しょ、翔?」
「ドラマの度に、映画の度に共演の女優に嫉妬して…毎回毎回俺の身にもなれよ…」
ぎゅううううっと抱きしめられて、息ができない。
でも…嬉しい…
「ぐふぇ…」
「あ、ごめん」
ぱっと身体が離されて、ぶあっと空気が入ってくる。
「ふう…」
「だから…自由にして?和也…我慢しなくていいから…」
「いいの…?」
「いいよ。その代わり、俺もするからな?」
「わかった…」
「よーし。じゃあ他にないか?」
「えっ…」
「女の写真だよ!どっかにあんだろ?」
「な、ないってええ~!」