第10章 だいだい
止めようと立ちあがったけど、翔はもうフォルダを開いてて…
「わあ…」
そこには年代別にフォルダで分けてある翔の画像がごっそりとあった。
「なん…これ…凄…」
カチカチとフォルダを次々と開けては翔は目を丸くしてる。
どんぐりみたいな目が更に丸くなった。
ネットサーフィンしてて見つけた翔の画像を手当たり次第にフォルダにぶちこんでたんだよね…
すっごいハズカシイ…
「おまえこんなことしてたの…?」
「だってぇ…見るだけならタダじゃん…」
「こんなことしてる時間あるなら、直に見ればいいじゃん」
「見れないから!」
「え?」
「見れないからこんなことしてたんじゃん…」
だって男同士だし…
翔が俺のこと好きなのわかってたけど…
超えちゃいけない一線だと思ってた。
だって、俺こんなだし…
嫉妬で翔のことどうしてしまうかわからない。
だから…せめて見るだけならって。
何年も掛けて集めた画像だった。
「和也…」
「怖かったんだよ…翔のこと…好きすぎて…」
「うん…」
「翔を…自由にさせてあげられないから、だから…避けてたのに…」
翔に背を向けて、クッションを抱きしめた。
「もう知らないからね…もう俺、翔の奥さんだから…」