第10章 だいだい
「うん!過去の彼女の写真とか全部捨ててあげる!」
「やっぱりね…そう来ると思った」
「え?」
「写真とかねえもん。そんなの実家だもん」
「じゃあ、パソコン捨てるね!」
「ばかやろう!」
笑いながら髪をぐしゃぐしゃにされた。
「そんなもん、おまえの目の前で全部捨ててやる」
「…ほんと…?」
「だからおまえのも捨てるからな」
「えっ…」
「さあ…これから家捜しするか…まずはMacだせ」
「ちょっ…」
「なんだ。都合悪いものあるのか」
「ないけど…」
「まさかハメ撮りとか?」
「ちっ…ちがうっ」
翔は立ち上がると、さっさとMacを開けた。
電源落としてないから、すぐ立ちあがった。
でもロック掛かってるし大丈夫か…
「はにー?解除して?」
「いやだよ…」
「PINコード?これ」
「ちっ…ちがう!」
「PINコードなんだな…」
ぽちぽちと数字を押して、いとも簡単に解除した。
「ちょっ…なんでわかったの!?」
「俺の誕生日入れた」
「あ…」
なんでわかっちゃったんだろ…ハズカシイ…
「よーし…捨ててやるぞー…ん?」
「あっ…だめっ…翔っ…」
「なにこれ…”翔さん”って…」
「なあんでもないっ…」