第10章 だいだい
お風呂から上がると、バスローブを着たまま二人でソファに座り込む。
「なんか飲む?」
「うん…冷蔵庫になんかあると思う」
「じゃあ適当に持ってくるな」
翔がキッチンへ行ったのを見送る。
そのまま背もたれに顎を載せて待ってるけど、一向に帰ってこない。
「だーりん、どうしたのお?」
返事がないからよたよたしながらキッチンに入った。
「だーりん?」
冷蔵庫の扉を開けたまま動かない。
「どうしたの?」
肩にぽんと手を乗せたら、ぐいっと手首を掴まれた。
「なんだよ、これ」
「え?」
翔が手に持っていたのは、コンビニ限定のドリンク。
そこには”まさき”って名前が書いてある。
「それは、相葉さんの…」
「なんで雅紀のがここにあるんだよ」
「え、だってよく遊びにくるから…」
「はあ?なんで雅紀は良くて俺はだめだったわけ?」
「えっ…だってそんなのスケジュール合わなかったりとか…」
「違うだろ!?今まで散々避けておいて…雅紀はホイホイ入れてたのかよ!?」
「だあって!相葉さんは友達だよ!?」
「おまえに惚れてるかもしれないだろ!?襲われたらどうすんだよ!?」
「はああ!?そんなわけないじゃん!そんなの翔さんだけだよ!」