第10章 だいだい
「和也…和也…」
翔の声が意識を引き戻した。
「大丈夫…?」
さらさらと前髪を撫でていく指…
「ん…大丈夫…」
「どうしちゃったの…すごく感じてたね」
「わかんない…なんか凄かったね…」
「愛かな?」
「愛でしょ」
ちゅっとキスが降ってきて、ぎゅっと抱きしめられる。
「風呂、入れる?」
「ん…多分」
翔にひっぱり上げられて立ちあがった途端に、後ろから翔のが漏れ出てきて…
「あっ…」
「どうした?」
「おしり…」
「ん?」
「やっ…見ないでっ…」
慌ててティッシュを取ろうとして、足が縺れてすっ転んだ。
「わあ…」
翔が声を上げたから振り返ったら、翔におしり丸出して転んでた。
「やああっ…みないでええ…」
べそをかきそうになりながら、ティッシュに手を伸ばす。
「いいから…俺がやるよ」
そう言ってティッシュを取って、そっとそこに当てた。
「…?」
いつまで経っても動かないから振り返ったら、悪い顔してそこを見つめてた。
「な、なんだよ…」
「え?いや…ちょっといい?」
いい?って聞いときながら返事もまたずに、翔は蕾に触れた。
「ちょっ!?」
抗議の声も虚しく、翔の指は入ってきた。