第10章 だいだい
ピザが届くまでソファに座って翔の腕にぎゅっとしがみついてた。
テレビばっか見てるから、ぎゅって腿を抓ったらびっくりした顔でこっちを見て。
ほっぺを膨らませて口を尖らせたら、すぐにわかってくれてテレビをぽちっと消してくれた。
「襲っちゃうぞ~」
「いいよ?いっぱいしゃぶってね?」
そう言って小首をかしげて翔を見たら、ぼふって鼻息が聴こえて翔が覆いかぶさってきた。
「さっきの思い出したじゃねえか…」
「むふ…いつでも思い出してね?」
「ばか。あんなの思い出したら、万年発情期だわ」
「え?今までそうじゃなかったことあるの?」
「…よく俺のこと見てるじゃねえか…」
「だって翔のハニーだもん♡」
ぎゅうっと抱きしめたまま翔は俺の首筋を強く吸った。
「あっ…翔っ…」
「大丈夫…痕、残らないようにしたから…でも、付けたいな…和也は俺のものだってしるし…」
「俺もつけたいよ…翔が浮気しないように、誰も翔のこと好きにならないように…俺のだって…」
翔の背中に回した手にぐっと力を入れた。
「このままずっとくっついていたい…」
「はにー…」
「だーりん…」
「はにー!」
「だーりん!」
ぴんぽーんと宅配ピザに、三文芝居を邪魔された。