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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第10章 だいだい


喋ってる間に、どんどん壁際に追い込まれていく。
最終的には壁に身体を押し付けるところまで来てしまった。

「それ、だけ…なんだけど…」
「へえ」

さっきから”へえ”しか言ってない…

「俺のこと忘れるくらい楽しかったんだ」
「い、いやそれは…」

ドンっと顔の横に衝撃が走った。
翔さんが俺に壁ドンしてる…

「俺のことより、あんな女子高生が大事なの?」
「そ…そういうんじゃないって…」

顔を逸らそうとしたけど、顎をがしっと手で掴まれて翔さんの顔を見るしかなかった。

「なんで俺のこと忘れるの?」
「だから、ごめんって…」

だんだん翔さんの顔が近づいてくる。
耐えられなくなって目を閉じた。
ふっと笑う気配がしたと思ったら、顎を持ってた手をぐいっと上げられた。

「目、閉じてもいいの?」
「…え…?」

指でゆっくりと唇をなぞられた。

「あっ…」
「キス、しちゃうよ?」

咄嗟にしゃがんだ。
翔さんの手から逃れるように脱衣場を飛び出した。
リビングでソファの背もたれに手をついて、荒れ狂う心臓をなんとかなだめた。

「なんで、逃げるの…?」

すぐ後ろに翔さんが居た。

「か、帰ってよ!ヘンな事するなら…」

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