第10章 だいだい
腹筋崩壊した…
暫く笑いが止まらなくてその場でうずくまってた。
塾帰りだという女子高生を帰したあとも、暫く動けないくらい笑ってしまった。
ベイストでもあれは暫く復旧できないくらい笑ったのに…
こんな結末ありかよ…
ふと何かを忘れていることに気づいた。
「あっ…」
後ろを振り返ったら、無表情で翔さんが立ってた。
「ご、ごめんっ」
急いで部屋に向かって歩き出した。
その間、一言も翔さんは喋らない。
ご機嫌を完全に損ねたようだ…
「入ってよ」
玄関で靴を脱ぎ捨ててリビングに入る。
エアコンを入れて、窓を少し開けて部屋の熱気を逃す。
「座ってて」
そう言ってすぐに風呂の準備に向かった。
掃除して風呂から出ると翔さんが立ってた。
「うわっ…何!?」
「さっきの…何?」
「へ?」
「やたら楽しそうだったけど」
「ああ…前にね、ラジオに投稿くれた子だったみたくて」
「へえ…」
なんか…雲行きが怪しいぞ…
「彼氏のね…家に行くと、文鳥が放し飼いしてあって。最近遊びに行くと頭を絶対突かれて、怖いからどうしたらいいかってメールくれた子だったの」
「へえ」
「俺は彼氏に正直にいうしかないねってアドバイスしたんだけど、その結果、鳥のほうが大事って振られたんだって」