第2章 グレイscene3
インタビューは後日、出版社で行うのでこの日は撮影が終わったら、帰ることになった。
「ねえ、今日寄って行かない?」
「え?ニノの家に?」
「そ。皆で鍋食べない?」
「いいねえ…」
「大野さんと潤、ドラマ始まるしさ。壮行会やろうよ」
「乗った!」
雅紀がノリノリになったので、俺達は引きずられるように事務所の車でニノの家に行った。
部屋にはいると、潤とニノはキッチンに入って食材と酒のチェックをした。
「あ、しまった。ちょっと食材足りないかも…」
「酒もちょっとなあ…」
二人してキッチンから出てきて、リビングに居る俺たちを見渡す。
「ごめん。買い出し行ってもらっていい?」
ニノは雅紀にNOTEのキーを渡した。
「いいよ!買うものメモしてね!」
「はぁい」
パタパタとニノと潤が動く中、俺たちはやることがなかったから助かった。
「あ、翔さんはこっち手伝ってよ」
「え??」
「買い出しは二人で充分でしょ?」
まあそうだけどさ…
なんだってキングオブ不器用の俺に…
雅紀が手伝ったほうがよっぽどいいだろうに。
「超重いダンボール持ってほしいの」
ああ。なるほどね…
ならば、とキッチンに立った。
雅紀と智はその間にメモを貰って買い出しに出たようだった。