第2章 グレイscene3
なんでこんなことになってるの…?
今日は嵐5人でグラビア撮影。
某雑誌の2000号記念号の表紙を飾ることになった。
一気撮りということで、嵐全員で同じ時間に入って、スタイリング。
暫くすると個人撮影が始まった。
最初はニノからで、俺達は楽屋で待機していた。
「あ、なんか翔ちゃん吉田栄作みたい」
「そうだよね、俺もそう思ってた」
俺の担当は80年代だからね。
まさにばっちり吉田さんだよね。
個人撮影が終わると、揃いのスーツに着替えていよいよ5人での撮影。
「あ…智くんのネクタイ…」
「え?」
「ニノとお揃いなんだね…」
智くんはニノのネクタイと自分のを見比べて、にやりと笑った。
「気づかなかったよ…だって皆一緒かと思ってたし。こんなワンポイント、よく気づいたね?翔……」
最後の”翔”は耳元で囁かれた。
途端に背筋をゾクゾクと這い上がってくるものがあって、俺は飛び下がった。
「ち、違うからっ…ヤキモチとかじゃないからっ…」
俺と潤と雅紀は同じネクタイで、智くんとニノが同じネクタイだった。
「なんですか…翔さん。俺だって潤とお揃いしたかったよ?」
ニノも笑いながら智くんの肩を持った。
だから違うんだって…
そりゃ、少しはジェラシーしたけどさ…
できるなら、俺と雅紀と智くんでお揃いが良かったな…。
こんなこと思うの、女みたいかなぁ…?