第8章 いつも貴方がいた -nosa version-
翔さんが衣装のジャケットを絶対に脱がないよう、監視しながら収録は進んだ。
途中潤と目があって、めって顔されたけど…
おまえだって際どい日あるんだからなって思ったりして。
大野さんと相葉さんは相変わらずのほほんとしてるけど、腰が痛い俺にさりげに気を使ってくれてるし…
よく考えたら…
俺が翔さんに付けた爪痕は…あの時、大野さんが付けた爪痕と同じ所で…
それに気づいても、心が波立たない自分が不思議だった。
「ニノ?」
翔さんがよそ行きの呼び方で俺を呼ぶ。
「なんですか?」
「大丈夫?ぼーっとして…」
「うん…平気ですよ…」
そっと俺の隣に寄り添って、誰にも見えないように小指を絡める翔さん…
遠くから潤がまた呆れた顔して俺たちを見てるけど、まいっか。
「どうしたんですか?翔さん」
「いいや…別に…」
ふっと笑い合うと、前髪が触れ合った。
「はいそこ、アウト~(●`ε´●)」
潤が俺のことひっぱって、カメラ裏まで連れて行かれた。
客席からキャーって悲鳴が起こって、どうやら俺と潤が仲良くしてるのが嬉しいみたい。
「いいだろ~Jと手ぇ繋いでんだぞ?」
なんて客席に言ってみたら、セットに居る翔さんがめっちゃヤキモチ顔してた。