第8章 いつも貴方がいた -nosa version-
「翔、疲れてるでしょ?もう寝よっか…」
「うん…あのさ…」
「ん?」
俺はロンパースの肩を撫でた。
「これ、どうしたの?」
「あっ…」
慌てて身体を起こして、カズは真っ赤になった。
「えっと…あのっ…」
さっきは本当に寝ぼけてたんだな…
かわいい…♡
「こんなん着てくれてるなんて…なに期待してたの?」
「だっ…だって…翔に見せる前に、着ておこうかなって…」
「赤ちゃんになってくれたんだ…♡」
「いやぁ…もう恥ずかしいっ///」
そう言ってばふっと薄がけを被ってしまった。
ぎゅっと握るその左手には、リングが光っていた…
「カズ…ありがとう…」
「え…?」
「俺のこと、たくさん考えてくれて…」
子供のことを言った俺を…
怒ってしまった自分を…
たくさん、たくさんどうすればいいか考えてくれたんだよな…
「俺…いい奥さん貰ったよ…」
そっと薄がけをめくると、目にいっぱい涙を溜めたカズが俺を見ていた。
その目から涙が溢れる前に、俺はカズを抱きしめた。
「愛してる…カズ…」
「翔…」
ぎゅっと抱きしめる腕に力を入れた。
愛してる…愛してるよ…
「俺も…愛してる…」