第8章 いつも貴方がいた -nosa version-
3日後…深夜に電話が鳴る。
「翔さん…」
スワイプしてスマホを耳につける。
『カズ…?起きてた?』
「……」
まだ、わだかまってて。
なにも殴ることなかったなとか、あんなに怒ることなかったなとか…反省したんだけど、生来の天邪鬼が邪魔して素直になれない…
『…まだ怒ってる?』
「怒って…ない…」
『声が怒ってるよ…』
スマホの向こうから、ため息が聴こえる。
せっかく3日ぶりに話すのに…
なんで俺、素直になれないんだろう。
『ごめんね…?無神経なこと言って』←イってないけどね
「気にしてないよ…」
声が小さくなった。
『カズ…俺はね、おまえが居ればしあわせだよ?』
「うん…」
『だから、気にするなよ…』
「わかってる…わかってるけど…」
『頭がついてこないんだよな…?』
「うん…」
なんで、わかるんだろ。
俺は翔さんのこと、全部わからないのに…
『そういうのも…まるごと俺は覚悟してるよ』
「え…?」
『あの時、カズと生きていくって…離れないって決めた時から…おまえをまるごと受け入れようって』
「翔…」
『だから、もっと怒っていいよ』
「ばか…」
『もっと愛してくれてもいいよ』
「これ以上どう愛せっていうのよ…」
やっと、笑うことができた。