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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第7章 ショコラscene3


先生のお宅に行くのに、車に乗り込む。
翔ちゃんはいやいや着いてきてる。

「私、行きたくない…」
「だめだよ。行こう?大事なことなんだから…」
「いやって言ってるでしょ」
「行くんだ」
「やだっ…」

ぐいっと翔ちゃんの腕を引っ張った。

「行くんだ」
「なんで…雅紀怖いよ…」

翔ちゃんが怯えた顔するけど、これだけは譲れない。
今、頼れるのは行長先生しか居ないんだ。

「…行かないなら、嫌いになるよ?」
「えっ…」
「行かないなら、家から出て行って貰うよ?」
「雅紀…」

翔ちゃんなのに…目の前に居るのは翔ちゃんなのに…
でも中身は美々子って人で…
本当はこんなこと言いたくないのに…

「わかった…」

翔ちゃんが怯えた目で俺を見る。
違う…違うのに…
でも翔ちゃんにそんな目で見られるのは堪らなかった。

先生のお宅に着くと、奥さんが玄関先まで迎えに出ていた。

「相葉さん…櫻井さん…」

奥さんは翔ちゃんを見て絶句した。
乗っ取られたとわかったんだろう。

「早く、中に」

それだけ言うと、奥さんは中に入っていった。

「雅紀…」

翔ちゃんが俺の服の裾をつかむ。

「行こう…」

裾を掴んでいた手を握ると、翔ちゃんを見ないで歩き出した。

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