第7章 ショコラscene3
キッチンまでレモネードを取りに行った。
「しょっ…翔ちゃん!?」
「え?」
「何着てるの!?」
「え…だめだった…?なんか着やすそうで…」
「だ、だめじゃないけど…それ、女物だよ?俺のだけど…」
「え?そうなの?」
「それ、ワンピースだよ…」
あ、そうなんだ…ロングTシャツなんだと思ってた…
暑いから、ズボン履いてないのがいけないのかな…?
「も…まじ、ズボン履いて…」
「あ、ごめん…汚い足見せて…」
「違うからっ…そうじゃないのっ…」
「え?」
「い、色っぽくて…目のやり場に困る…」
「あ…ごめん…」
きゅっと裾を両手で伸ばした。
恥ずかしくて動けなくなった。
雅紀に色っぽいって言われて、身体が熱くなった。
「あ…あのっ…レモネード取ってくるね?」
慌ててキッチンに駆け込んだ。
冷蔵庫からコップを取り出すと、深呼吸した。
落ち着かなきゃ…
リビングに戻ると、雅紀がソファに腰掛けてゴシゴシ頭を拭いていた。
「雅紀、どうぞ」
「あ、ありがとう…翔ちゃん…」
「ん…」
得意料理は麦茶だけど、今日テレビでみたレモネードの作り方なんとか覚えた。
だから試してみたかったんだ…
「飲んで?」