第7章 ショコラscene3
グラビアの撮影は、ちょっと色っぽいものだった。
衣装は前を全部はだけさせた白いシャツにジーパンだけ。
素足で部屋のセットで寛いでるっていうもの。
最初は個人の撮影。
「櫻井さん、今日、なんか凄い色気ですね」
カメラマンのお兄さんが、私のこと舐め回すように見てる。
「そ、そうですか?いつもどおりですよ?」
「いやいや…なんか凄いっす…そのうなじとか…」
「え?うなじ…?」
身を捩って、うなじに手を当てた。
「うわっ…」
スタジオがざわついた。
「な、なんですかっ」
「いや…なんでも…」
カメラマンさんは、スタッフを呼ぶとカメラの液晶画面を見せていた。
「これは…」
なんだかカメラを囲んでごちゃごちゃ言ってる。
メイクさんが顔を押さえに来たから、どうしたのか聞いてみる。
「ん…いえ…なんか…写っちゃいけないものが写ったそうです…」
マネージャーが割り込んできて、私の撮りはそこで終わった。
腕を掴まれて楽屋まで帰ると、皆心配そうに私の顔を見た。
「マネージャーどうしたの?」
「櫻井撮ると、心霊写真になるそうだ…」
「あちゃ…」
智くんが額に手を当てた。
「だから言ったじゃん…中止にしようって」