第7章 ショコラscene3
俺の車は智くんところに置かせてもらうことにして、雅紀の車で家に帰った。
俺を一人にすると、またどっか行っちゃうからって、雅紀が言うから…
家に入ると、また雅紀に抱きしめられた。
「…もう、お願いだから…どこにも行かないで…?」
「でも…」
「怖くないっ…翔ちゃんだから、怖くないっ…」
「雅紀…」
「俺が…守るから…翔ちゃんのこと、守るから…!」
体を離すと、じっと俺の顔を見つめた。
「いつも…守られてるから…俺が守るよ…?」
心臓が跳ね上がった。
智くんの比じゃないくらいにバクバクした。
雅紀がかっこよくて、かっこよくてクラクラする。
あ…また、勃った…
思わず前かがみになってしまう。
「…翔ちゃん?どうしたの?」
「な、なんでもないの…」
「でも…」
「やっ…見ないでっ…」
恥ずかしくてたまらなかった。
雅紀のこと、まっすぐ見られなかった。
「お願い…俺のこと、見ないで…」
腕で顔を隠しながら、俺は床にへたり込んだ。
なぜだか全身に汗をかいてる。
息が上がってしょうがない。
興奮してる…?なんで…?
雅紀がそっと俺の腕を取って立ち上がらせた。
「翔ちゃん…大丈夫だからね…?俺の、そばに居て…?」