第7章 ショコラscene3
雅紀が来るまで、ふたりでうがいし続けた。
少し無言になると、またヘンな空気になりそうで。
なにかしてないと保たなかった。
やがてチャイムの音が聴こえて、雅紀が来た。
「翔ちゃん…」
雅紀は俺の顔を見た途端、泣き出した。
「なんで出てったりするんだよっ…!」
玄関先で俺のことぎゅっと抱きしめて、震えた。
「…ごめん…雅紀…」
「どんだけ心配したか…もうっ…」
「ごめんね…」
雅紀の香りが、ひどく俺を安心させた。
「…とにかくお家帰りな…?俺、保たない…」
「え?」
雅紀が智くんを見た。
「ごめんね、相葉ちゃん。俺、襲いそうになった…」
「えっ…」
「なんかね…そんなつもりは俺にはないんだけど、多分翔くんに憑いてる人のせいだと思う。気がついたら、ね…」
「リーダー…」
「ごめんっ…相葉ちゃん!」
智くんが頭を下げた。
「そ、そんな…謝らないでよ…気持ちわかるから…」
「え?」
「だって…翔ちゃん、色っぽいんだもん…」
「ま、雅紀っ…」
「だよなあ?俺、男に勃起しないけど、今日の翔くんほんとヤバイもん…」
「でしょ?俺、ほんと大変だったの。さっき」
「も、もうっ…やめてよっ…二人とも!」