第7章 ショコラscene3
「もしもし?相葉ちゃん…翔くん、今うちに居るから…」
電話してる智くんを見ながら、荷物を掴んだ。
そっと足音を忍ばせてリビングを出ようとした。
今、家に帰る訳にはいかない。
とにかくここを出なくちゃ…
「あっ…翔くんっ…」
智くんの声が聞こえた瞬間、ダッシュで玄関まで行った。
でも途中で捕まってしまった。
やっぱり…敵うわけ無いか…
腕を掴まれて、動きを封じられた。
「あ、もしもし…?ごめん。翔くん捕まえておくから、早く迎えに来て?」
そう言って智くんは通話を切った。
「翔くん…ダメだって言ったでしょ?」
「いや…お願い…雅紀には会えないよ…」
「大丈夫だから…ね?」
智くんが優しい目で俺を見つめる。
あ…まただ…心臓がおかしい。
かっこいい…って、オイっ…
「…やばい…」
またぎゅっと智くんが俺を抱きしめた。
「えっ…ちょっと智くんっ…」
「いやー…俺、もう理性ギリギリだわ…」
「へっ?」
「そんな目で見ないでよ…おかしくなるよ…」
「ど、どんな目かわかんないもんっ…」
智くんの体温がますます俺をおかしくする。
「翔くんって、こんなにかわいくなるんだね…」
智くんがゆっくりと身体を離した。