第7章 ショコラscene3
智くんのいい匂いが鼻孔をくすぐった。
身体にカッと火がついたように熱くなった。
「や…やめて…」
「あー…やべえなこれ…」
智くんの身体が離れていく。
俺の顔をじっと覗き込むと、真剣な顔してる。
「や…やだ…見ないで…恥ずかしい…」
本気で恥ずかしい。
智くんが、かっこ良く見える。
なんだこれ…なんなんだこれ…
きっと俺、顔が真っ赤だ…
「なんて顔してんの…翔くん…」
「え?」
「ヤバイ顔して…」
「な…に…?」
そういえば、雅紀もさっきそんなこと言ってた。
どんな顔してるんだろ…俺…
「やっべ…」
そう言うと智くんは立ちあがった。
「翔くんが連絡しないなら、俺がするから」
「えっ…智くんっ…お願いっ…」
思わず立ちあがって智くんの腕を掴んだ。
「お願いだからっ…雅紀に言わないで?」
「うわ…まじかよ…」
智くんが俺から顔を逸らした。
「ダメ。絶対言う。これ、相葉ちゃんじゃないと駄目だ…」
「え?なんのこと?」
「いいから…ね?お願いだから、家帰って」
「へ?」
「ホテルとかもダメだからね!」
「え?え?」
わけがわからない…
智くんは自分のスマホを手に取ると、電話を始めた。