第7章 ショコラscene3
「とりあえずさ、相葉ちゃんに連絡するからね?」
「だっ…だめっ…」
「え?なんで…」
「だって、雅紀が怖がるから…」
「え?」
「雅紀は俺が居たら、心が休まらないよ…きっと」
「…なんでそんなこと思うの?」
智くんはそっと俺の方に歩いてきて、手を握った。
俯いてる俺の髪を撫でると、スマホを手にとった。
「そんなこと思う必要ないよ?相葉ちゃんがどれだけ心配してるか…」
俺のスマホを、手に落とした。
「さ、自分で連絡して?」
じっと俺の目を見た。
また、胸のあたりが変になった。
「やだ…できないよ…」
「翔くん…」
「だって、雅紀は怖がりなんだ…とっても、とっても…」
また涙が滲んできた。
「生霊に取り憑かれた俺なんかが傍に居たら、きっと怖いと思うんだ…」
「え…生霊なんだ…この人…」
智くんが俺の後ろのほうを見てる。
「お願い…智くん、雅紀には言わないで?」
「だめだよ…翔くん…」
「だって…俺…雅紀のこと守れなくて…だから傍に居たらいけないんだ…」
「もう…翔くん…どうしちゃったんだよ…」
ぎゅっと智くんが俺を抱き寄せた。
「えっ…ちょっ…智くんっ…」
「すげえかわいいじゃねえか…」