• テキストサイズ

カラフルⅢ【気象系BL小説】

第7章 ショコラscene3


先生のお宅についたら、なぜだか入りたくなかった。
車から降りたくなくて、ぐずぐずしていたら雅紀が助手席のドアを開けた。

「さ、行くよ。降りて?」
「雅紀…」

黙って手を差し伸べてくれた。
でも、俺はその手をとることができなくて…

「あの…俺、ここで待ってるから…」
「…なんで?行きたくないの?」
「うん…」

雅紀は額に手を当てた。

「やっぱり…一緒だ…」
「え?」
「翔ちゃん、行こう?お願いだから」

雅紀が今までみたこともないような真面目な顔してる。
それでも俺の足は動かない。
本当に行きたくなかった。
こんなこと初めてだった。

急に頭が痛んだ。
ズキズキとした痛み…

「ん…」
「翔ちゃん?」
「なんでもない…」

こめかみを手で押さえるけど、なにも変わらない。
どんどん痛みが激しくなる。

「うぅ…」
「どうしたの!?翔ちゃんっ…」



ヤメテ…イキタクナイ…



雅紀に無理やり助手席から降ろされて、玄関まで引きずっていかれた。
奥様が迎えてくれたけど、俺の顔みて顔色が変わった。

「さ、早く上がって下さい」

雅紀に手を貸して、俺の腕を取ると家に上げてくれた。
俺の足取りは重くて、廊下が酷く長く感じた。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp