• テキストサイズ

カラフルⅢ【気象系BL小説】

第7章 ショコラscene3


雅紀が運転する車内は無言だった。
途中、カラーが痒くなって外してみたら、もう首は痛くなかった。
そのままカラーを後部座席に投げると、雅紀は俺の顔をみた。

「外しちゃって大丈夫なの…?」
「うん…なんかもう痛くなくなっちゃった」

また、無言になった。
雅紀はなにか焦ってるような雰囲気だった。
俺はそんな空気にいたたまれなくなって、なんだか泣きそうになってきた。
じわっと涙が滲む。

俺…なんかしたのかな…
雅紀のこと、怒らせたのかな…

ぽとりと手の甲に涙が落ちた。
慌てて拭うと、またぽとりと涙が落ちる。

「う…」

思わず嗚咽が漏れて、慌てて口を押さえる。

「…翔ちゃん…?」
「んなっ…なんでもないっ…」
「泣いてるの?」
「だからぁっ…なんでもないってばっ…」

雅紀は路肩に車を停めた。
俺の顔を覗き込むと、ティッシュで顔を拭いてくれた。

「…なんで泣いてるの…」

ため息混じりの声だった。
やっぱり…俺のこと…

「な、泣いてないもん…」
「じゃあこれはなんだよ…」
「違うもんっ…」

俺の手首を掴んで、身体を雅紀の方に向けさせられた。

「言って?どうしたの?」
「だ…だってぇ…」

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp