第7章 ショコラscene3
「翔ちゃん…?翔ちゃん…」
雅紀の声で目が覚めた。
「あ…お帰り雅紀…」
「ただいま。大丈夫?むちうちになったって聞いたよ?」
そっと俺の後ろ頭に触れる。
ソファに座ったまま、首を固定するカラーが邪魔で雅紀を見れない。
部屋はまだ電気がついてなくて真っ暗で。
カーテンも閉めないまま、廊下からの電気だけが部屋に差し込んでる。
雅紀が俺の前に回りこんできた。
「顔…よく見せて…?無事でよかった…」
俺の前に座ると、微笑みながら雅紀は手を伸ばしてきた。
そっと俺の頬に触れる。
「んっ!?」
どっきーん
雅紀の顔を見た途端、心臓が早鐘のように鳴り出した。
「えっ…なんだこれ…」
雅紀の顔がまっすぐ見られない。
かっこ良すぎて、正視できない。
胸を押さえると、顔がみるみる赤くなるのがわかる。
「翔ちゃん!?どうしたの!」
「い、いや…なんでもない…」
どうしたっ!俺っ…
雅紀はかわいいとは思っていたけど、カッコいいなんて思ったことないぞ!?
「翔ちゃん、こっち向いて!どうしたの!」
雅紀は両手で俺の頬を包むと、そっと俺の顔を雅紀に向けた。
ちゃんと、俺の首のこと思って優しくしてくれてる…
また、心臓がどきーんと震えた。