第1章 ミントscene2
「和也…」
思わず呟くと、和也は真っ赤な顔をして俺を見た。
「ち、違うもんっ…」
そう言って雅紀を押し倒した。
「ニノっ…やめろよっ…お前たちは、俺達みたいになるな…!巻き込んで悪かった…ごめん…」
「今更何いってんのよ…」
和也はぐいっと雅紀の腕を取ると束ねて上に持ち上げた。
「あんた、翔さんの事好きかもってわかった時、俺になんて言ったのよ…?覚えてる?」
「お、覚えてないよっ…もう、俺達の事はいいだろ!?」
「良くないっ…!あんな人、もう俺の人生の中に、二度と現れないかもしれない、そういったでしょ!?」
雅紀は泣きながら顔を横にぶんぶん振っている。
「違うっ違うっ…違うっ…!」
「絶対に、離したくない…そう言ったよね!?」
「違うっ…」
翔ちゃんが立ちあがった。
そのまま和也と雅紀に歩み寄り、和也を立ち上がらせた。
「ニノ…もういい。ありがとう…」
おもむろに雅紀の前に座り込んだ。
「雅紀…?」
雅紀は腕で顔を隠して、翔くんを見ていない。
「俺、お前に大事なこと言ってなかったよな…本当にごめんな…」
そっと雅紀の腕を外すと、手を握りこんだ。
「雅紀…好きです。俺と付き合ってください」