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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第6章 ノクターン


初めてあの人を見たのは、稽古場だった。
一人、ただベンチに座ってる。
不思議に思って見ていたら、いきなり鼻をほじり始めた。
あんな綺麗な顔してるのに…
長い髪で目の表情までは伺えない。
そのまましばらく鼻をほじっていたあの人は、音楽がかかると立ちあがって皆の前に立った。

振り付けのこわい先生があいつの後ろに行けという。

俺と何人かの新入りは、恐る恐るその人の後ろに立った。
あの人は後ろをちらっとみると、面倒くさそうに舌打ちした。
感じの悪い人だ。
そう思った。

でも踊りだしたら、そこは異空間で。
俺は目を奪われた。
ぼけっと立ったまま見ていたら、先生にひっぱたかれて…
やっとやっとでその人の踊りについていった。

その日の帰り、思い切って声を掛けた。
その人の名前は大野智といった。
喋ってみたらふにゃふにゃした人で。
全然感じも悪くなくて。
すぐに電話番号を交換した。

この人のこと、知りたい。
なぜだかわからないけどそう思った。

俺たちはあっという間に仲良くなった。
その頃には相葉くんとも仲良くなった。
翔さんという尊敬する人もできた。
怖い先輩だけど、筋が通ってて気持ちのいい人だった。

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