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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第5章 ロザリオ


楽屋から出ると、マネージャーに手を上げてあいさつして、廊下を歩いた。

気持ちが楽になった。
自分だけ楽になったのかもしれない。
けど、これが今俺のできるけじめの付け方…
自己満足かもしれないけど、これから償っていく。
翔くんにも、ニノにも、皆にも…

やり直すことなんてできない。
過去は変えられない。
だったら、ここから始めるしかないんだ。

まずはしっかり歩くこと。
自分の道を歩いていくこと。
それが、第一歩。
テレビ局の明るい廊下を歩きながら、ただ前を見た。
後ろは振り返らない。
ただ、前を。上を。
そうしていくしか、不器用な俺はできないから…

エレベータに乗り込み、1階のボタンを押す。
扉が締まる瞬間、外から手が伸びてきて開かれた。
スーツを着たままの翔くんが立っていた。

「てめえ…なに自分勝手なことばっか言ってんだよ!」
「翔くん…」
「俺の気持ち、どうしてくれんだよ!?」
「え…?」
「別れるだの好きだの勝手に言って…」
「…ごめん…」
「あのまま好きだって言われたら、振ってやろうと思ってたのに…」
「うん…わかった…」
「別れるとか言うから、言えなくなったじゃねえか…」
「え…?」

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