第5章 ロザリオ
「お前の処分は後から伝える。嵐全体は減給処分だ」
「はい…わかりました…」
事務所を出て、まっすぐニノの家へ行った。
マンションの下で、ニノに電話したらすぐに繋がった。
『潤くん!?』
「ああ…ニノ…ごめん、心配かけて」
『…今、どこにいるの?』
「お前んちの下にいる」
『わかった…今、家に居るから上がってきて?』
玄関の扉を開けたニノは、目を潤ませていた。
「…入って…潤くん…」
扉を閉めると、ニノは俺に抱きついてきた。
「ニノ…俺…」
「わかってる。これが最後だから…」
ぎゅっと力が入ると、ニノの身体は離れていった。
「凄いね…翔ちゃん…俺、敵わないや…」
背中を向けたままニノは呟いた。
その肩に手をかけてニノを振り向かせると、しっかりと顔を見た。
目の下に隈つくって、心なしか痩せた…
「…心配かけてごめん。俺のせいで凄く迷惑掛けた…」
ニノは黙って首を横に振った。
「ニノ…ごめんな…俺は、もう戻れない」
「うん…わかってる」
「……好きになってくれて…ありがとう…」
「潤くん…」
そっと頭を撫でると、俺は扉を開けた。
「潤くんっ…」
振り向くと、涙を必死でこらえながらニノが笑った。
「また、明日」