第1章 ミントscene2
急に雅紀の身体が軽くなった。
「へっ?」
かと思ったら、鬼の形相の和也が雅紀を3人掛けのソファに突き飛ばした。
かと思ったら、立ち上がらせた翔くんを俺に向かって突き飛ばしてきた。
かと思ったら、どふっと翔くんが俺にぶち当たってきた。
「ごふっ…」
「大野さん…ゆるさないんだから…」
「おま、ちょっと待てよ!」
「さ、智くん…」
「なんだよ!」
「雅紀、どうやったらああなったの?」
「え?」
翔くんは必死の形相で俺にすがりついてきた。
「あんな蕩けた雅紀見たの初めてなんだ!教えて…お願いっ」
「翔くん…」
「もっと雅紀を気持よくしてやりたいんだ…俺、男は初めてだから、わかんないし…」
「5年もヤってりゃわかんだろうが…」
「違う!あんな顔したことなかった…!」
真面目な奴はこれだから…
「竿扱きながら玉揉んだだけだろうがよ」
「そんなことしたことなかった…!」
「自分がやられて気持ちいいことやってやりゃいいんだって」
「そんなのわかんないもん…俺は、雅紀に気持ちよくなってほしくて、色々やってみたけどさ…どうしていいか全然わかんないんだよ…」
そう言うと翔くんは涙目になった。
「智くんは色々経験あるかもしれないけど、俺は…雅紀には言えないけど、臆病だから…実はそんなに経験ないんだ…」