第5章 ロザリオ
「だから死なさねえって言ってるだろうがっ…」
翔くんが俺を引っ張って立たせた。
「こいよ…」
上手く歩けない俺を引きずるように翔くんは部屋を出た。
すぐ近くのドアを開けたら、そこは洗面所で。
手首のベルトを外すと、服を剥ぎ取られてその奥の浴室に俺は引っ張りこまれた。
翔くんは服をきたまま、俺を浴槽にぶち込んだ。
熱いくらいのお湯が張ってあった。
「熱いっ…やめろよっ…」
身体が痛い上に熱い湯に入って、苦痛からひたすら逃げることしか考えられなかった。
「痛いっ…痛いからっ…翔くんっ…」
翔くんはグイグイ俺を押さえつけて、湯に浸からせる。
服がびしょびしょになっても構わずに。
「潤っ…大人しくしろっ…」
「いやだっ…痛いっ…痛いよおっ…」
急に激しい頭の痛みが来たと思ったら、そこで俺の意識は途絶えた。
ねえ…
なんで…?
なんでこんな苦しいのに生きてなきゃいけないの?
なんで死んだらだめなの?
こんなに憎まれてるのに生きてなきゃいけないの?
苦しい…お願い…
殺して…翔くんの手で…