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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第5章 ロザリオ


翔くんは黙って立ちあがった。
トレイを傍らの床に置くと、そのまま部屋を出て行った。

「待って…翔くんっ…」

ドアを開けようとしたけど、外から鍵がかかっていて開かなかった。

「え…嘘だろ…」

それからいくら呼びかけても翔くんは来てくれなくて、そこが開くこともなかった。
もう一個ドアがあったから開けてみたら、そこはトイレで…

「マジかよ…これって監禁…?」

時計もなにもない。窓もない。
いったい今がいつなのかわからない。
薄暗い室内を見渡して、ただ身体が震えた。

翔くん…
それほど、翔くんの怒りは深い…
膝から力が抜けて、床に崩れ落ちる。

「ごめん…翔くん…ごめんね…」

床に這いつくばったまま、手を組み祈る。

「どうか…翔くんを…俺はどうなってもいいから…翔くんを救ってください…」

一度、俺は死んだ。
だから、翔くん。
あなただけは死なさない…

俺をどうしてもいいから、だから…翔くんだけは…

それから俺は、床に這いつくばったまま祈り続けた。
板張りの床の冷たさが身体を冷やしても、尚祈り続けた。

翔くん…日の当たる場所に…帰って…

翔くんの居るところは、ここじゃないよ。

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