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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第5章 ロザリオ


絶望しか、感じなかった。

白んでいく外を見ながら、ベランダに出た。
柵から身を乗り出して下をみると、目が眩んだ。
ここから…飛び降りれば楽になる…

その前に…翔くんの声が、聞きたい…

手に持っていたスマホで翔くんに電話を掛けた。
時間は午前5時…
こんな時間に、電話に出てくれるわけないよな…
2コールだけ鳴らして、電話を切った。

「翔くん…ごめんね…大好きだよ…」

呟くと、心が少しあたたかくなった気がした。

翔くん…翔くんの居場所は、そんなところじゃないはずだよ…
ごめんね…俺のせいで…
翔くんをそんなところに追い込んだんだね…

今、楽にしてあげるから…

柵から身を乗り出そうとしたその時、スマホが鳴った。
翔くんだった。

どうすればいいかわからなくて、画面を見つめた。
留守電に切り替わると、翔くんの声が聞こえた。

『もしもし…こんな時間にどうしたんだよ…』

懐かしい声…ありがとう…翔くん…電話をくれてありがとう…

『潤…?電話、出ろよ…』

ありがとう…翔くん…



好きだよ…


翔くん…



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