第5章 ロザリオ
「なに…してるんだよ…」
「なにって…セックス?時間ないから、俺、イケなかったわ…」
「え…?ちょっと…何言ってんの…」
さっき出て行ったスタッフ…あいつ、男だった…
「なに…ちょっと待って…ヤラせてんの…?」
「悪い?潤だってニノとヤッてんじゃん…」
そういうと、気だるそうに身体を起こしてTシャツを着た。
「好き…なの…?そいつのこと…」
「潤だってニノのこと好きじゃないのに抱いてるでしょ?今はどうか知らないけど…」
翔くんは散乱しているゴミを拾うと、ポケットに詰め込んだ。
「あいつゴミくらい拾えってのな…」
俺の方は一切見ないで、ひとりごちて翔くんは倉庫を出て行った。
俺は膝がガクガクするのを止められなかった。
急いで酒を手に取ると、一気に飲み干した。
どうしよう…翔くんが…壊れた…
俺のせいだ…
それからもF倉庫では、収録の合間に翔くんの情事が繰り広げられた。
いつも、違う男だった。
俺はそれを止められるわけでもなく、ただ最初から最後まで見ているしかなかった。
鮮やかにピンク色に染まる翔くんの裸体を、ただ眺めているしかなかった…