第4章 ヴェニット
その横顔にきゅんっとした。
やっぱりかわいい…
智も俺の隣できゅんっとしてる。
やばいな…俺たち、我慢できるのかな…
最近、イケナイ遊びばっかしてたから…
そう思って智と目を合わせたら、ニノがいきなり俺達の間に割り込んできた。
「だからーっなんで見つめ合ってるのよーっ!」
なんだこれ…ヤキモチ…?
「いや…ただ、見てただけだよ?」
「違うっ…見つめ合ってた…!」
「和也…?どうしたの?」
「違うもんっ…」
「ちょっ…落ち着けよ」
ぐいっとニノを後ろから抱きしめるような形になった。
「うえええええええ…」
「えっ…」
「かっ…和也っ…!?」
ニノはボロボロと大粒の涙を流しながら泣き出した。
「なんで二人で仲良くするの!?なんで俺のこと入れてくれないの!?」
「ニノ…」
「淋しかったっ…淋しかったよおっ…」
そうだった…こいつ友達少ないんだよな…
最近、後輩とよくつるんでるから油断してた。
そういえば全然俺の家、泊まりにも来てなかったよな…
「和也…ごめん…」
智が俺の向かいから、ニノのこと俺ごときゅっと抱きしめた。
「ごめんね…これからはちゃんと誘うから…」
「いやっ…いやっ…」
ぶんぶん頭を振っていやいやをしながら、ニノが泣き止むことはない。
俺たちはしばらく途方に暮れた。