第4章 ヴェニット
「いいかげんにしろよ…お前…」
翔ちゃんマジギレ顔だし。
やべ。
「だって…ふがっ…」
慌ててニノの口を塞いだ。
「にーの…?黙ろうね。翔ちゃんキレちゃうからね?」
「だってアンタ達がっ!」
「わかった…わかったから…」
そろそろ限界かな…
智と目を合わせると、やっぱりそう思ってるみたくて。
頷いたから、ニノの耳元で囁いた。
「今日3人でご飯食べに行こ?」
「え?」
「ね、だから今はごきげん直して?」
「そ、そんなんじゃ直らないもん…」
「じゃあどしたら直るの?」
ニノはぷうっと頬を膨らませた。
「そんなの…わかんないもんっ…」
かーわいいなあ…
智と二人で、でれっとその顔に見とれた。
「も、もうっ…なんなのよっ!その顔っ…」
収録が終わって予約した居酒屋に着く。
「あれ…」
お店の前に人だかりが出来てる。
智が気配を消して近づくと、どうやら店に芸能人が来てて一般客が殺到してるようだ。
「うわ…最低…Twitterで流した奴がいるんだ…」
「こりゃ…入れないね…」
「予約キャンセルの電話入れるわ…」
とりあえず電話すると、お店側から謝られて後日のサービスの申し出までしてくれた。
「とりあえず…どする?」