第1章 ミントscene2
カッチーンと来て、思わず身を乗り出したら和也に目で制された。
そのまま和也はちょこんと雅紀の膝の上に座ってる。
なんだってんだよ…なんでこんな光景を見なきゃ行けないんだ。
すごく腹が立って、コーヒーを淹れてる翔くんのところに行った。
後ろから抱きしめて、雅紀の方をちらちら見てやった。
「わっ…智くん、危ないって…」
ぐいっと腰に腕を回して、ふっと項に息を吹きかけた。
「あっ…や…だ…」
なんか色っぽい声を出した。
面白くなってふーふーやってたら凄く怒られた。
ちぇ…
コーヒーが入って、カップに注ぐとテーブルに並べる。
いい香りが漂っているのに、誰一人として手を付けない。
しょうがないから俺から頂いた。
「お、美味いな」
「でしょ?それ、お取り寄せしたんだよ」
「いい香りだ。酸味も俺好みだ」
「そうなんだ。今度おすそ分けするよ」
翔くんと会話が弾んでしまって、ふと雅紀を見ると、泣きそうな顔してた。
お。いいねえ…。
明日休みなんだから、早く片付けよう。
コーヒーを飲み干すと、隣に座る翔くんの肩を引き寄せた。
「えっ…また!?もうやめてよっ…」
「いいだろ?昼間は抱きついてきたくせに…」