第4章 ヴェニット
おーちゃんはぎゅっと腕を体の前で縮めた。
「なんで…?相葉ちゃんが好きなの和也でしょ…?」
「お…おーちゃんも…好き…」
「えっ…?」
「変…だよね…」
俺はおーちゃんから身体を離すと、ソファの下に座った。
「ごめん…ニノもおーちゃんも好きなんて…こんな話…」
「相葉ちゃん…」
「正直、俺自身、よくわかってないんだ…」
どっちか一人にだけ決めろなんて…
俺にはできないみたい。
「ごめんね…」
ぐしゃっと髪を掻き上げると、おーちゃんの手が俺の腕に触った。
「え…?」
「じゃあ…」
「え?え?」
「確かめてみる…?」
「な、なにを…」
「俺が好きなのか…和也が好きなのか…」
「へ…?」
「俺…相葉ちゃんだったら…嫌じゃないよ…?」
そ、それって…俺に抱かれてくれるってこと…?
まじまじと顔を見つめていると、みるみる真っ赤になっていった。
「ご、ごめんっ…俺、何言ってんだろ…!」
クッションを掴んで抱きしめて、俺に背中を向けて丸まってしまった。
「おーちゃん…」
おーちゃんは俺に背中を向けたまま、必死で言い訳を始めた。
「だって…いつも相葉ちゃんには力になってもらってるし…俺だって誰だって良いってわけじゃないよ?相葉ちゃんは和也のこと好きなんだから…だったら一緒じゃんって思って…俺と…一緒だって…」