第1章 ミントscene2
翔くんちに着くまでの車中は沈黙が流れていた。
俺は和也を雅紀に触れさせないようにしっかりとホールドしていた。
雅紀は翔くんを意識しながら、和也を奪おうと必死で。
翔くんは運転に集中できないみたいだった。
死ぬからやめろや…
翔くんちのマンションの地下駐車場についた時、雅紀は素早く和也を奪っていった。
もう…!なんなんだよ!!
「雅紀!お前いいかげんにしろよ!」
翔くんが怒って怒鳴っても、雅紀は頑なに和也を離さない。
「も、翔さんいいから。部屋いこ?」
和也がいうと、翔くんは先に立って歩き始めた。
なんかだんだんムカついてきた。
雅紀と和也に近寄ると、和也の耳元にそっと囁いた。
「ちょっと俺もいろいろするけど、お前怒るなよ?」
「え?」
そう言って俺を見上げた和也に、投げキスなんかしてみた。
うげって顔されたから、二度としない。
「翔くん」
俺は翔くんに近寄って行って、肩を組んだ。
「なあ…もうさ、雅紀なんかほっといて、俺といいことしない?」
「えっ…ちょ…マジで言ってんの?」
組んだ腕を、そっと背中を滑り落として、尻に触った。
「ひゃあっ…」
翔くんがエレベーターの前で飛び上がった。