第1章 ミントscene2
車を出そうとする翔くんを止めて、暫く待っていたら和也が一人で走ってきた。
俺は車から飛び出して、和也を捕まえた。
「お前、雅紀は!?」
「いまくるから!ほらっ…」
バタバタと足音が遠くからしたと思ったら、雅紀が鬼のような形相で掛けてきた。
「まてー!ニノォォぉ!!」
「は、早く車に乗れっ…」
二人で車の後部座席に駆け込んだ。
「待てっ…」
和也のパーカーの後ろを掴んだ雅紀の腕をぐいっと引っ張って車に載せた。
「翔くんっ…車出してっ…」
「はっ…はいっ…」
素早く和也が車のドアを閉めると、車は急発進した。
「え…?なにこれ…」
雅紀は自分の置かれている状況がわからず、呆然としてる。
ふと外をみたら、潤と斗真がものすごい笑顔でこっちに手を振っていた。
とりあえず、窓を開けて手を振り返しておいた。
「なんで翔ちゃんの車なの…?」
呆然としたまま雅紀がつぶやいている。
「とりあえず、俺達は今日翔さんの部屋いく約束してんの。あんたどうすんのよ。相葉さん」
和也が言うと、雅紀は怒ったような悲しいような戸惑ったような複雑な顔をした。
「に、ニノがいくなら、行ってやってもいいよっ」